とことこと

OCTOBER 14, 2021 / とことこと

ニットを考える。

10月11日「国際ガールズ・デー」は、今年で10年めになる。世界中の若い女性たちが直面している問題に取り組むことを訴えるため、国連により定められた。

性の解放を叫び、性的偏見、性差別と闘った、フランスの女流作家がいた。

Colette (コレット)だ 。

当時まだ無名だったオードリー・ヘプバーンを、自著『ジジ』のブロードウェイでの舞台化の際、主演に抜擢した、ということに象徴されるコレットのセンスに胸が弾む。

新しい女性を編む。

パリコレで目立ったアウターとしてのニット。あくまでニットを主役として着こなすには、無駄を削ぎ落とすようなスタイリング。メンズっぽくもみえるが、袖口、ネックラインのジュエルスタイルのステッチが、新しい女性の表現に相応しい。

ラムウールリブタートルネックニット
スーピマコットンフリルシャツ

その他、スタイリスト私物

狂乱の時代といわれた1920年代のパリのファッションに代表される、カクテルドレスとコート。

そしてもうひとつ、シンプルで上品、着心地を追い求めた新しい日常スタイル。中でもスポーティなセーターやニットのアンサンブル等、“ギャルソンヌ” と呼ばれた(少年のような女性の)スタイルは、パリの女性の“粋”となった。

トラディショナルなメンズのセーターを再構築したようなボックスラインのニット。首と手首のシルエットは美しく、深めのサイドのスリットで軽さを感じさせる。

ラムウールリブタートルネックニット
スーピマコットンフリルシャツ

その他、スタイリスト私物

「意味のなさそうな馬鹿げたことこそ、情熱的にやるのよ。」

ベルエポック、狂乱の時代、この両方のパリ(よって必然的に2度の世界大戦)を生きた、コレットの言葉には余韻がある。

パリの女性たちは、コレットのファッションスタイルに憧れ、真似た。

後ろ姿を大事にするフランス人らしく、タートルネックのバックスタイルまで、こだわりが潜む。動作まで計算された、360°美しいディテールは、フレンチブランドならでは。シルエットもカラーリングもシンプルなスタイリングで、このニットをエレガントに楽しみたい。

ラムウールリブタートルネックニット
スーピマコットンフリルシャツ
ウールカシミヤシガレットパンツ
ファーレザースリッポン

その他、スタイリスト私物

パリジェンヌが熱い眼差しで憧れたコレットの男装写真は、ファッションだけでなく、ヨーロッパ思想文化変革の、火種になったに違いない。

最も感覚的な小説家と評されるが、女性の生き方に光をあてた、思想的な、出会ったら、もう同じ自分ではいられないようなアーティストだったのだろう。

日本がフランスの文化を受け入れる際、コレットの表現した全てはもれなくついてくる。

「究極のエッセンシャル、そしてそこにエレガンスを」という、クリエイティブディレクター、ナタリー・マーシャルのキーワードが浮かぶ。素材と考え方のしなやかさ、緻密なディテールと意志の強さに、エレガンスを感じる。

ラムウールリブタートルネックニット
スーピマコットンフリルシャツ

その他、スタイリスト私物

そんな事も忘れてしまいそうな時を越え、「#MeToo」運動をきかっけに、性差別について考える世界が用意された。

キーラ・ナイトレイ主演の映画『Colette(コレット)』は、その世界に光をあてようとする、現代の試みのひとつだ。

少年のようなニットは、
フレンチ・クラッシックの編み目を変える。

ヴィンテージセーターを彷彿させるジャガードニットベスト。ビッグボリュームトレンドが続く中、このコンパクトなボリュームが、ニットベストスタイルの新しい波。

ソフトラムウールジャガードノースリーブニット
シルクサテンレギュラーカラーシャツ
ウールカシミヤストライプシガレットパンツ

その他、スタイリスト私物

ギャルソンヌ(少年のような女性)ルックという呼び方は、1920年代フランスでベストセラーとなった小説、マルグリットの『ギャルソンヌ』にちなんだものだった。

ギャルソンヌ・ルックを象徴するデザイナーのひとり、ココ・シャネルはファッションを、装飾ではなく「着るものを選ぶ」ということによる生き方の表現、「生き方を選ぶ」ことだといった。また、エレガンスとは抵抗すること、とも。

ギャルソンヌ・シルエットだが、その小さなボリューム感で、クラッシックを変えていく。

ソフトラムウールジャガードノースリーブニット
シルクサテンレギュラーカラーシャツ

その他、スタイリスト私物

なんという、胸騒ぎのする時代だったんだろう。

女性の社会進出は、世界大戦の国家総力戦から、といわれているが「私を哀れんでもらう必要はない。私は戦時に生きることを選んだのだ」というコレットの言葉には、女性の強い意志をもった知的生活がみえる。

コレット以降、女性の思想文化が華やいだ。

ボーヴォワール、アイン・ランド、ハンナ・アーレントなど、胸がつまるような思想家がスターとなった。

映画「ハンナ・アーレント」は、60年代にパリに住み、ヌーヴェル・ヴァーグの影響を多大に受けた女性監督、マルガレーテ・フォン・トロッタによる作品だ。

中に着るシャツやタートルネックで、まったく違う世界観、アリュールを表現できる。

ソフトラムウールジャガードノースリーブニット
シルクサテンレギュラーカラーシャツ
ウールカシミヤストライプシガレットパンツ

その他、スタイリスト私物

「世界最大の悪は、ごく平凡な人間が行う悪です。その人には動機もなく、信念も邪心も悪魔的な意図もない。考えるのを止め、人間であることをやめた人なのです。この現象を、私は“悪の凡庸さ”と名付けました。」

というアーレントが命をかけて考えぬいたトピックとなっているこの映画が2012年に公開されたことは、日本にとっても意味深く、熱く議論された。

コトニエ・アイコニックパンツの“マーガレットシリーズ”から、初のストライプが登場。フレンチ ブランドのストライプは、柄ではなく、色だ。

ソフトラムウールジャガードノースリーブニット
シルクサテンレギュラーカラーシャツ
ウールカシミヤストライプシガレットパンツ

その他、スタイリスト私物

人間としての「活動的生活」を2500年前にギリシアで発生した「公共の生活」にみた、アーレントの「人間の条件」。

「考えるとは注意深く直面し、抵抗すること」

今読みたい、20世紀の最後の政治哲学者の本だ。

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