とことこと

SEPTEMBER 23, 2021 / とことこと

開放『ブラックパンツ』

世界中に飛び火したヌーヴェル・ヴァーグの精神。映画という枠を超え、フランスでは、文化は政治的・社会的な拘束から『開放されているべきである』という現在の常識に受け継がれている。

ヌーヴェル・ヴァーグ映画は自由への切望と、その所在を鮮やかに、ポエティックに、ファッショナブルに表現した。そして学生運動に影響したのか、と、点と点が繋がったとき、胸にクウンとつまるものがある。

今月、ジャン=ポール・ベルモンドが亡くなった。88歳だった。フランス人にとってまさに今、パンデミックによる劇的な生活の変化の中、ヌーヴェル・ヴァーグの精神への想いが一層高まっている。

2021年、バランスについて考える

ヌーヴェルヴァーグの旗手、ジャン=リュック・ゴダール監督の『勝手にしやがれ』で主演を務め一躍ブレイクし、生涯を終えるまで、いや、生涯を終えてもなお、フランスが誇るスーパースターである、ジャン=ポール・ベルモンド。

そしてこの『勝手にしやがれ』で、ベルモンドと共演したジーン・セバーグ。ゴダールは、ジーンのファム・アンファン(少年っぽい女の子)な魅力に強く惹かれていたそうだ。

スウェットに艶感のあるシャツ、広がるシルエットのトップスにバルーンパンツ。一見チャレンジングな組み合わせも、完璧なラインを構築するスリット、そこからのぞくシャツの長さと質感、そしてこのパンツのボリュームだからこそ成り立つ、2021年的ヌーヴェル・ヴァーグのバランスになる。

フレンチテリーモックネックスウェット
シャイニーポリオーバーサイズシャツ
ウールカシミヤバルーンパンツ
ファーレザースリッポン

その他、スタイリスト私物

そんな、“ファム・アンファン”なスタイリングで印象的なのが、『勝手にしやがれ』で、ジーン・セバーグ扮するパトリシアの、黒いサブリナパンツスタイル。

新聞社のロゴが入ったぴったりとしたニットに、バレエシューズ、小さな白いバッグを持ち、ヘアはアイコニックなピクシーカット。

オーソドックスなアイテムの組み合わせでありながら、絶妙なサイジングバランスと、彼女が持ち合わせるファム・アンファンな魅力があいまって、ブラックパンツのスタイルに新しい波が起きた。

50年が経ってもなお、フランスにおいてジーン・セバーグは、ファッションアイコン以上の存在だ。自分を信じた、自由を信じた彼女の、政治的・社会的な拘束から『開放された』精神は、『本質を見抜く力』としてフランス人女性の中で健在だ。

『自然発生として、タイムレスは「心地よさ」につながると思う。自分がタイムレスな服を着て、魅力的に感じるって心地いいから。もちろん服のカットやデザイン、素材からくる「心地よさ」があってこそだけど。』

と、語る、コトニエ・クリエイティブディレクターのナタリー・マーシャルが、タイムレスなブラックパンツスタイルに、2021年的ヌーヴェル・ヴァーグを起こすと、こうなる。

人間の自由、解放を強く信じたジーン・セバーグは、ブラックパンサーを支持したことで、アメリカ政府から激しい脅しと、FBIの嫌がられせ工作を受け続けた。フランス人女性にとって、このことは、自由について、開放について、強い信念として今でも受け継がれている。

フレンチテリーモックネックスウェット
シャイニーポリオーバーサイズシャツ
ウールカシミヤバルーンパンツ
ファーレザースリッポン

その他、スタイリスト私物

心地いい開放『ブラックパンツ』

異なるセクシュアリティ、ジェンダー、ノンバイナリーの開放の波は心地よく、クリエーターたちは今、ファッショントレンドとしてのジェンダーミックススタイルではなく、ジェンダー開放の先にある、大きな可能性を探求している。

ジーン・セバーグのピクシーカットや、メンズシャツを取り入れるファッションは、単なるテイストミックスではなく、女性に個性を取り戻させるスタイルだった。自分自身の魅力、ALLUREを心地いい!と感じることの自由を、当然のこととした。

『服は幸福感だったり、充足感だったり、自分を愛しむためのツールであるべきだと思うの。そんな理論的なことではなく、もっと本能に近いところの意味で。』とことことのインタビューでのナタリーの言葉が、ジーンのファッションの楽しみ方に重なる。

自由を当然のこととする。その先にある可能性。

マスキュリンもフェミニンも溶け合わせて、本能に近い「心地いい」を、 重ねていく。

シルクサテンとフリルの、とびきりロマンティックなブラウスに、解放的なリラックスシルエットのブラックパンツを合わせる。新しい波。

この時代、必然とされるのは、自分ではない何か、よりも、今の自分を受け入れる、ということ。

自分自身の魅力、ALLUREをどう、表現するか。

ヌーヴェルヴァーグの精神は、今、の彩度で再出現し始めている。

シルクサテンフリルカラーブラウス
ウールカシミヤバルーンパンツ
ウールクラバットプリントスクエアスカーフ

その他、スタイリスト私物

アクション俳優としても名高く、「ルパン三世」や「コブラ」のモデルといわれ、ジャッキー・チェンやトム・クルーズらの先駆として世界を魅了したベルモンド。スティーブン・スピルバーグも大好きと公言しているほどで、ハリウッドにも多大な影響を与えているのがわかる。『恐怖に襲われた街』での、「え、革靴で屋根の上走るの?」と突っ込みたくなるアクションシーンをオマージュして、「え、そのスタイルでスケボーするの?」なシーン。

2021年、スタイリングに新しい波を起こすパンツは見つかりましたか??スタイリングやフェアの詳細はこちらをチェック!

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