とことこと

DECEMBER 21 / 普通のパリ

百年の孤独の国からパリに来た天使

「わたしは、戦士」

そういうルシアナ・サントスは、パリの10区でオーガニック野菜のレストランを経営する、まだパリでも珍しい、女性オーナーシェフだ。

「自分を一言でいうと?」という質問に、戦士よ、と言い切るルシアナは、ティーンエージャーの頃にコロンビアのボゴタから留学生としてパリにきたそうだ。

初っぱなから小さな衝撃を感じつつも、このインタビューにワクワクする。

テキスト:インジー・マソトゥ

強い意志をもつ可愛い女性ルシアナ。南アメリカの知的な女性は懐が深い。 photo: Chloe Kritharas Devienne

ルシアナ: エシカルである、というのが、私のレストランのゴールなの。

今のパリの食文化以外にも、「エシカルフード」というチョイスがある。

シンプルに人間くさくてあたたかい、大都市に欠如してるようなもの。

インジー: その考え方はどこから生まれたの?

ルシアナ: 子供時代。私はコロンビアのボゴタで育ったの。

インジー: え?

ルシアナ: (笑)凶悪シティーとして名を轟かせたハードな街、というイメージよね。

インジー: いや、飛び抜けた知的階層のいる、アーティスティックな街だよね?(ガルシア=マルケスの小説「百年の孤独」の断片が蘇り、くらっとする。)

ルシアナのオーガニック野菜のレストランは、グルテンフリーやビーガンフードも楽しめる。

ルシアナ: 母はボゴタの郊外で農園をやっていたの。

意識を尖らせる、ということ、その中でバランスを自覚する、ということを絶対的なものとして、教えてくれた。

急に荒れ狂う動物のようなわたしの育った文化は、複雑なバックボーンを持っていて、それを少しずつ理解しながら、母の農園で、時と季節について真剣に考えるような子供時代だった。

インジー: その道を辿って今に至った?

ルシアナ: 最初はコンセプトストアだったの。クラフト雑貨と食品を扱ってた。

お店では食べものをお客さんに求められてたのが明らかにわかった。私自身もそっちに向いていく方が自然だった。

インジー: あなたの作る食べものを一言でいうと?

ルシアナ: 子供の頃、食べた思い出を再現している。

SIMPLE, HONEST, TRUE.

そんなレシピをエモーショナルに仕上げようとしてるんだと思う。

コロンビアの知的階層の食生活だ、と思ってこれからは LULA に通うことになる。久しぶりに「百年の孤独」を読みたいと思う。

インジー: ブランチからずーっと混んでる。成功の秘訣ってあると思う?

ルシアナ: 真実を見つめると、間違いないと思う。心の声に従って。

インジー: フランス人女性についてどう思う?

ルシアナ: 欲しいものを手にいれることができる人種だと思う。あと「独立」という理念を過酷なまでに要求している。

フランスは文化として、自尊心を養うことをヨシとしているし、男女平等は理念だけでなく、生活にリアルに落とし込まれているのは確か。

全員とはいわないけどね。特に飲食では、女性のオーナーシェフは珍しがられるし、男の世界ってかんじだしね。

インジー: 最後に。子供に絶対伝えたい、繋げていきたいことってある?

ルシアナ: まだ娘は3歳なんだけど、やっぱり独立心と自尊心は育ててあげたい。そして私のもつ倫理観を共有したい。もちろん食についても。多様性の中で生きられるように育って欲しい。

インジー: 今日はありがとう。コロンビアに行ってみたい、と思ってるわ。犯罪率、下がってるんだよね?

ルシアナ: (笑)

photo: Chloe Kritharas Devienne

LULA
216 Rue Saint-Maur, 75010 Paris
+33 1 42 45 62 71
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