とことこと

SEPTEMBER 14 / 普通のパリ

新しい音の世界地図

フレンチ・リヴィエラに住んでいた頃から、ずっと今も親しい友人が数名いる。

そのひとり、アン・ベルトは著名な音楽ジャーナリストだ。

ワールドミュージックを専門とし、年中エキゾチックな国を飛び回っている。

南フランスでは人として「オモシロイかどうか」という事がとても重要となる。

その中でもアンのユーモアのセンスは昔から、際立って鋭く、そんな彼女がなぜ、音楽ジャーナリストという仕事を選んだのか、きいてみた。

テキスト:インジー・マソトゥ

「なぜ、音楽ジャーナリストか、わからない。いつのまにか、この道を歩いていたと思う。うちの両親はすごくミュージカルな人たちで子供の頃、朝起きたら、オペラがかかってたような家でーそれがすごく嫌だった。」

新しい音の世界地図

この道を歩む「きっかけ」になったことはあるようだ。

「20歳の頃、インドを旅したとき、ドカン、と新しい世界への扉が開いたの。

聴いた事のない音。触れた事のない食べもの。

JAZZやROCKを聴いていた、その頃の私の中に、新しい音の世界地図ができたの。」

エキゾチックなところにいって、音楽を聴くのがアンの仕事

African Diaspora(奴隷貿易時代の楽器が使えない状態での音楽。主にヴォーカル。) から派生する音の系譜ーカリビアンやキューバンミュージック、そしてサルサ。マリやギニアのアングラ音楽。

その頃アンが聴いていたJAZZに伝承されている、生きた躍動感のある流れ。

「そしてバルカン音楽!!ジプシーの世界にはまっていったの。」

フランスの文化人の間で人気のある、エミール・クストリッツァ監督、ゴラン・ブレゴヴィッチが音楽を担当する映画について話してくれた。

フランス人は特にジプシー音楽が好きだと思う。バルカン半島が、他のヨーロッパにはないフォークロアな音を持つのは、オスマン帝国の支配下にあった歴史によるものらしい。

こんな音の旅を続けるアンの娘はもう12歳になり、自分の音楽を聴いているそうだ。

「娘は日本のアニメの音楽を聴いていて、私が家でかける音楽が嫌いみたい(笑)」

日本のアニメの音楽も、12歳の女の子にとっては、ワールドミュージックなのかもしれない。

母のワールドではなく、私の、ワールドがいいのだろう。

「インドから帰ってきて、Remember Shaktiの神々しいライヴを、Jazz à Juan(南フランスの音楽フェスティバル)で見て、衝撃をうけた。

それから私はこの道を歩むようになったのかな。」

アンとの話はまた次回に!

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