とことこと

AUGUST 24 / 母と娘の森

ファッションは第一関門の突破口。

「着ている人にもその周りの人にも、すごく優しいブランド。それがコトニエの印象です」

― まだ残暑厳しい昼下がり、エディター・ライフスタイルジャーナリストとして幅広く活動する吉野ユリ子さんとお会いしました。

10年以上にわたる仕事仲間である彼女に、これまでの生き方や考え方を改めて聞く、という初の時間。なんだかとっても新鮮です。

取材・文:土本真紀 

「コトニエの洋服は、以前着てみたことがあります。でもその頃は、自分にとっては大人すぎる、と感じて。

それは年齢のことではなくて、成熟度合い、だと思います。

人間としてきちんと成熟していて、自分を確立している人でないと着こなせないブランドだなと感じたことを覚えています」

いまは幼い娘さんの育児中の吉野さん。娘さんが生まれてからは、ファッション選びには動きやすさや洗濯のしやすさなども求めるそうですが、それ以上に、「コミュニケーションの第一関門の突破口」という役割が大きいそう。

「仕事柄、取材などでいろいろな方にお会いします。初めてお会いするときにファッションからの第一印象はとっても大事。だから私にとってのファッションは、コミュニケーションの第一関門突破のための道具という位置づけ。

もちろん、自分が着たいもの、似合うものの中でのチョイスですが、いつもお会いする相手を想像しながら、着るものをチョイスしていますね。

以前、パトリス・ジュリアンさんやドラ・トーザンさんとお仕事でご一緒させていただいて、フランスの人たちの考え方をじっくりと教えていただく機会がありました。

お金について、時間について、愛について、欲しいものについて、美意識について…。

人の価値観にも、人の時間にも、人の美意識にも、人の金銭感覚にも振り回されない。いかに自分らしいライフを作るか、という点で感じることがたくさんありました。

特に、何かを成し得たかったら、今どれだけ時間やお金があるかということ以前に“自分が何を成し得たいのか”を考えるべき、という彼らの考えは、まさに!と思います。

実際に私も、周りには無理と言われた希望を自分の妄想力(笑)で実現させてきた経験がありますから!」

仕事や育児は、全部“祈り”。

いつもポジティブな生命力にあふれている吉野さん。ものすごい仕事量を抱える売れっ子エディターでありながら、母であり、妻であり…。プライベートではトライアスロンもしていらして。そんなにたくさんのことをよく全部できるな!と驚かされることも多々。忙しくて嫌になったりはしないんでしょうか…。

「私にとって仕事や育児は、全部“祈り”なんです。目の前の人たちが安全で健やかでいられますように、幸せでいられますように。そんな気持ちだから、仕事をしていても、掃除をしたりお皿を洗っていても苦にはなりません。

なんというか、お参りでお賽銭を入れているのと同じような感覚。私は、誰かに必要とされたり、私がいてよかったと思ってもらえることがとっても嬉しい。

もしも“何もしなくていいよ”なんて言われたら、逆に“私はなんのためにいるんだろう”って自分の存在理由に疑問を持ってしまいそうです」

エディターになったきっかけも聞いてみると、どうも幼少期からのこんな少々ビックリの思考にそのルーツがあるようで…。

「私、自分のことをずっと男だと思っていたんです。だから女の人になりたくて、幼稚園の時も小学生の時も、女らしくてかわいい同級生をマーキングして研究していました」

え??何?? このお話はまた、次の機会に。

次回につづく。

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