とことこと

AUGUST 10 / 普通のパリ

娘たちの海

小さい頃からこの海が好きだった。

ニースから車で10分くらい。

ニースからモナコに行く途中にある、サン=ジャン=カップ=フェラというビーチコミューン。

海の色も、建物の色も光り輝き、空気はひたすらやさしい。

パリとは土が違うので、建物の色も違う。

私はふたりの娘を連れてそこに(できれば毎年)夏の思い出を作りにいく。

ここに来ると、別人のようにリラックスする母を思い出して、娘の目からみえる私を想像して、はっとさせられることもある。

魚がたくさん泳いでいるのが見える。
波もやさしくスノーケリングも楽しめる。

このコミューンの中でも、私にとって小さい頃からPlage des Fossesは特別な海岸。

兄と釣りをして、笑い転げた思い出。

釣れたことなんて一度もない、父の作ってくれた釣竿。今度は私が娘につくる。

田舎に帰ってきたー!と思う。

魚が自由に泳ぐ、透けて底まで見える海水。

釣れると思ってしまう。

海藻と、金色の砂に反射する空は、この海の色。
自分にとって特別な。

お気に入りの小径。建物は古いけど、
些細なディテールが、魅力的。

釣竿を一人前に肩に担いだ、ふたりの小さな娘たちと、とことこと、お散歩。娘たちといると、歩くだけでもいろんなドラマが待ちかまえている。

よく通っていたニースにある魚レストラン。

私が小さい頃から通う、レストランに。

娘たちは、夏の好きな女性になるのだろうか。

性格の、全く違うこの姉妹が、ケンカをしながらも、お互いを必要としあっている。

バカンス中に、仕事のインスピレーションもわく。
自分の軌道修正もできる。

こんな不思議な感覚に浸れる、私の休日。

ブーゲンデリアを見て育った気がする。
いつも笑顔にしてくれる。

テキスト:インジー・マソトゥ

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