とことこと

AUGUST 10 / 母と娘の森

嫌な時期は過ぎ去る。次が来る。

極貧生活や暗黒時代を越えて

天気のいい日。公園に場所を移して編集者・宮坂さんを撮影。肩の力が抜けているのに、そこにシャンとした芯を感じる彼女を撮影するのは‘とことこと’でおなじみの河内露。

ファインダーを通じて映し出されるのは、今日この瞬間の宮坂さんに、これまでの彼女の人生が重なって、織りなすように現れた本質を持った美しさ。

取材・文:土本真紀  >> 前回までのお話はこちら。

「うちは、もともと両親がファッションが大好きだったんです。物心ついた時に家の中にファッション誌があって。中学生の頃からおこづかいの全てを使って月に4冊くらい雑誌を買っていました。

あまりに好きで、この雑誌の中の人になるにはどうしたらいいんだろう。そんな風に考えて、編集という仕事を知りました。

大学生の頃から編集部でバイトをして、スタイリストのアシスタントをしたり、お店取材を100軒やったり、とにかくなんでもやってきました」

大学生の時から編集の仕事漬け。その後、そのままフリーランスとして彼女のキャリアが本格的にスタートする。実は当時は極貧生活だったそうだが、その経験は、今ではいい意味で‘なんでもできる’という自信になっているという。

辛い時は、がむしゃらに

「ファッションが好きでその業界に入りましたが、その後、ひょんなご縁もあって、カルチャーの雑誌で仕事をしたり、そこからまたファッションどっぷりの場所に戻ったり、いろんな経験をしてきました。

1番キャリアが楽しくなってきたときに、同時に結婚もして妊娠して。出産を経た後も子供は可愛い一方で仕事もしたくてしたくて、しばらくは、育児と仕事の両立のバランスがなかなかとれなくて。必死になりすぎたあまり子供が小さかった頃の記憶がないんです。

これまでの長いような短いような仕事人生の中では、楽しかったことはもちろん、すごく辛い時代もありました。私は、辛い時もいつか抜ける時が来るからとにかくがむしゃらにがんばります。

そうすると、ある日スポンと抜けて次のところに行ける時がくる。その時にできることに集中して、ドタバタしているうちに嫌な時期は過ぎ去って、次が来てる、みたいな。

こころが折れそうになったり嫌なことはもちろんありますが、とにかくもがく。できるだけなんでもやる。泣き寝入りもしない。働かないと食べていけないですから!

今は、デジタルとファッションを組み合わせた、ウエブマガジン『DiFa』の編集長をしていますが、テクノロジーやデジタルの世界は奥深く、日々アップデートされていくので毎日が勉強。もがいているけれど、楽しいですよ」

トイレで泣いて、冷や汗をかきながら撮影をして、朝まで原稿を書いて、など懸命に仕事に模索した時代も、今思えば宝物だそうだ。

常に、その時代を自分の信念で生き抜いてきた彼女がこれから私たちに何を発信してくれるのか。

目が離せない。こういう女性の声を聞いていれば、間違いない気がする。そんな安心感で、ホッとしたひととき。また、ぜひお会いしたい!

ーNEWSー
メールマガジンに登録 すると、メンバー限定のおトクなニュースや商品情報を、いち早くお届けします。

LINEで送る