とことこと

AUGUST 03 / 母と娘の森

どんどんシンプルになっていく

自分は自分。他人は他人

ファッションのプロに、コトニエのことを聞いてみたい。

そんな想いから、著名なファッション編集者の宮坂淑子さんにアプローチ。怒涛の忙しさの中でお時間をつくってくださった宮坂さんご指定のカフェは、都会のど真ん中にありながら、不思議なほどにのんびりと暖かい時間が流れる小路沿いに、ひっそりとありました。

このカフェの入り口で猫があくびをしていたら、もう完璧に映画の1シーンではないか!そんな妄想もふくらませながら、久々にお会いする彼女の到着にどきどき。

取材・文 土本真紀

「コトニエは、中身のある素敵な人、自分のスタイルがある人が着る服。

たとえばワンピース1枚でも、どう着るかで印象が変わるし、白いシャツやカットソーも着る人で印象が変わります。

自分がちゃんと着こなせる服。自分が洋服に負けることなく、自分があって洋服がある。そんな風に着られるブランドだと思います」

冒頭から、なんと嬉しいコメント! 
現在ウエブメディア『DiFa』の編集長を務める宮坂さんは、過去に『ロッキンオンH』『ELLE』『ELLE GIRL』の編集者を経て、『ELLE ONLINE』『VOGUE GIRL』の編集長に。ずっと編集畑、ファッション畑で活躍し続けてきた、素敵な女性です。

「シンプルなものをさらっと着るのがいい

「みんな若い頃はすごく気合いを入れて、頑張ってファッションをする。でも、たとえば海外のエディターはキャリアを重ねるほどに、ファションがどんどんシンプルになっていきます。出張でパリに行くたびにそんな様子に触れてとても影響を受けました。

私の場合は、30代後半がパリ出張のピークだったのですが、それをきっかけにワードローブが転機を迎えたと思います。それまでカジュアルな服→モードっぽいデザイナーの服といろいろ経験してきて、そこからシンプルでなんでもないミニマルなスタイルが、逆にモードなのかなと思い始めて自分のスタイルが定まった。

フランスの人は、自分の体型やライフスタイルに合ったスタイルをちゃんと持っていますよね。自分は自分、他人は他人。

そんな線引きもちゃんとできていて、みんな個性はあるし、オシャレなんだけれど、着ているものはそんなに大げさでない。そんなところが、すごく素敵だと思います」

コトニエはフレンチシックの代表、と言ってくださる宮坂さん。取材に同行したコトニエスタッフの幸子さんは、もう、満面の笑み!!

常に女性の先頭で情報を送り出す彼女は、どんな気持ちで日々の仕事をしているのか。そんなこともお聞きしてみると…。

「もう、ただただ毎日必死です(笑)。シングルマザーなので、まずは子どもをちゃんと育て上げるということが第1優先。仕事は、タイミングとご縁がすべてで目の前にあることをきちんとやるだけ。

今、フェミニズムのブームがもう一度来ている感じがすごくしていて。ミランダ・ジュライやレナ・ダナムといった、女性アーティストが女性の権利を新しい形で叫ぶようになっていますが、これはすごくいいことだなと思っています。

自分の中で常にあるのは、自分の仕事がどこかで女の人に還元できたらいいなということ。それは女の人の背中を押すことなのか、生きにくい女の人にエールを送ることなのか。よく分からないのですが、私が送り出す記事がどこかで女性の役に立ったらいいなという気持ちは常に持っているんです」

業界の著名人でありながら、とても素直に自身をピュアにさらけだしてくれる宮坂さんを見ていると、ファッションという言葉の真髄に触れたような気がした。

着飾ることとファッションは違う。ファッションは人生。いろいろな言葉が浮かんでくる。こんなにも惹かれる宮坂さんが、これまでどんな人生を歩んでこられたのか。興味津々!

次回につづく。

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