とことこと

JUNE 15 / 母と娘の森

子供と一緒に楽しめるカフェ

ひと昔前のパリでは小さい子供を連れた家族が、子供と一緒に出かけられる場所を見つけるのは至難の技だった。レストランでは犬連れではオーケーでも、子供と一緒となると断られるケースもしばしば。子供をベビーシッターに預けて、大人は大人の時間を楽しむ、というのがかつてのパリジャンスタイル。それが、ここ最近になって変化が!

広いテラス席が気持ちいいカフェ、SUPER Café Paris

開発が進む20区エリア、住宅街の中に、そんなパリの習慣を破るカフェが登場した。オーナーのサラさんは、以前法律関係の仕事をしていたが、子供の誕生とともにキャリア変更を模索していた。「子供と一緒に、大人も楽しめる場所がない!」と気づいた彼女は、カフェのオープンを決意した。

「カフェだけど、カルチャーにも触れられて、しかもみんなが楽しめる場所」というコンセプトのもと、子供用の椅子を用意するのはもちろんのこと、奥のエリアには子供だけがアクセスできるプレイゾーンを用意した。絵本に人形に自動車にと、子供が好きなものが揃う。

子供のプレイゾーンにあるミニ・キッチンコーナー。
ヴィンテージのおもちゃ類がなんだか懐かしい雰囲気。

さらに徹底しているのは、トイレ!オムツを替えるための台の隣には、子供用の小さいトイレを用意。手洗い場を低めに設定して、用を足したくなくても、思わず遊びに入りたくなる作りになっている。

週末にはコンサートなどの各種イベントを用意して、文化交流を図っている。編み物やパッチワークのアトリエをしたり、本の朗読会だったり、子供も参加できる政治討論まで!参加は特別な経費がかかる場合を除いて、「誰でもアクセスできるように」と、無料で提供している。そんなことから講師も地元のボランティアを中心に担当。フランスは美術館が充実していて、文化やアートへのアクセスがよい、という定評があるが、公共の場所だけでなく個人オーナーのカフェでも無料で色々な文化に触れられるのはさすがである。

ヴィンテージの家具が並ぶ店内。
奥のソファでは、編み物教室などが開かれる。

そしてオーナーのサラがもう一つこだわったポイントはエコ。店内にある家具はほぼリサイクルしたもので、ランチとディナータイムに出すお料理も、なるべくオーガニックを使用。魚は環境へのインパクトを配慮した業者と直接取引きし、野菜も大手の流通モノではなく、生産者から直接仕入れている。

午後のおやつタイムにサーブされるおやつセット。日替わりのケーキとフランスの子供の大好物、シロップ入りウォーター。4,5ユーロ。

さらにここのメニュの素晴らしいところは、ほぼすべてミニ・ポーションのものを用意していること。「子供たちも大人と一緒のものをよく食べたがるから、普通のカフェでは子供用にもう一皿オーダーすることがよくあるけど、そうすると必ず食べ残すことに。食べ物の無駄を少しでも無くしたい、という思いもあって、子供用のポーションを作ったの。」とサラ。こんなところにもエコ・コンシャスな姿勢が反映されている。

そんなコンセプトが受けて、夕方ともなるとワインを片手に大人達はアペリティフを、子供達はプレイゾーンで遊んだり、テラス前の広場で鬼ごっこをしたりと、今までパリには無かった光景が!子供が出来ても、自分達の楽しみを大切にするフランス気質がうかがえる。

カフェの前には公園が。こんなオープンなスペースも人気で、天気のよい週末はひとでいっぱいになる。

Text /Hiro Morita

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