とことこと

JUNE 01 / 母と娘の森

ノスタルジックながら、心の深いところを突く紙マガジン

ネットの登場で、雑誌や書籍など紙媒体の危機が叫ばれるのはここフランスも同じこと。街角の本屋さんがどんどんクローズして寂しい思いにかられるパリジェンヌも少なくない。

わら半紙を彷彿とさせるざらっとした
手触りの紙に印刷された雑誌『flow』

そんな中、紙ならではの魅力に立ち返った雑誌を発見!なんだかほっこりするイラストの表紙と、カバー字の「夢をみるなら、それは実現する」というウォルト・ディズニーの言葉にひかれてページをめくってみると、巻頭ではレトロ感たっぷりのイラストとともに、「期待しすぎでは?」というタイトルの人生論が展開。情報化社会がゆえに、未来に対して可能性がありすぎる現代人の問題をわかりやすく解説。最後に20世紀初頭のドイツの詩人、カート・チュコルスキーの言葉「何も期待するな、いま、それがあなたの人生」でしめくくられる。
これは新種の哲学雑誌かと思いきや、そうではなく、次のページではフランスでローカルに活動するイラストレーターやグラフィックアーティストを紹介したり、パリの面白イベントの案内があったりと、ライフスタイル・マガジンのようなかんじも。

ちょうど雑誌の真ん中くらいにくると、日本のお年玉袋と同じサイズのポチ袋がついていて、中にはイラスト付きのカードが。雑誌の付録としてメッセージカードが付いていて、薔薇のイラストの裏には、「あなたの人生にとって一番大切なのは何?」なんてメッセージが書いている。
付録にはポチ袋に入ったカードが10枚。どれにもかわいいイラストと「あなたの長所と最悪な短所は?」なんて、シンプルながら思わず心に響く言葉が書いている。

雑誌名の『Flow』とは、「心の声をあえて聞いて、それに従うと人生はよくなるはず」というコンセプトから。もともとオランダの雑誌で、昨年よりフランス版が出たそうだ。人生をいかに無理せず楽しむか、というヒントを与えてくれる雑誌になっている。

第2付録はシール。こちらは偉人たちの名言が。「創造すること、それは人生を2度生きることだ」(アルベール・カミュ)など。

特集の合間、合間にはヨーロッパで活躍するアーティストのイラストや写真があり、切り取り線が付いていて、壁に貼ってもよいし、人にあげてもよいしという作りに。さらに哲学者の心にくる言葉を集めたシールまで付いていて、人生を豊かにするものって、こんなちょっとしたものかも、と気づかされる。子どもの頃に読んでいた付録付きの本を彷彿とさせながらも、深い含蓄があるこんな雑誌がいまの時代だからこそ心に響くのかもしれない。

Text/Hiro Morita

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