とことこと

SEPTEMBER 08 / 普通のパリ

幸せな時間を過ごすスタイルや、考え方のヒントって?N°2は、パリのクリエイティブ界で活躍する、とびきりチャーミングな女性、インジー・マソトゥの母と娘の育て方、育てられ方について、きいてみました。

文:田中洋子 写真:インジーとその周りの人

ポーズしてない、いつものインジー自撮りがやっぱり可愛い。インジーが育ったニースにて。

先週のつづき。

母は日本に憧れているの

田中: インジーのお祖母さんの生まれた時代には、プルーストとジェイムズ・ジョイスがパリにいたんだってことを考えると、先進的な考えを持った人が集まる街だったんだろうな。

インジー: 日本にはもう漱石がいた?

田中: えー。えー。考えてもわからなかった。(笑) インジーのお母さんは、日本の小説も映画も好きだよね。

インジー: 60年代は、パリでは日本のアーティストが「前衛」だとされていたし、70年代はKENZOやISSEYがファッション界を揺さぶったし。 母は日本に憧れているの。てか、フランス人がそうなんだ。表層から覗き見える、日本の深い文化を感じる時、ほんとドキドキするの。

田中: まあ。

プレヴェールの詩集がインジーのお気に入り。俳句っぽいんだよ、という。日本でも愛され続けているプレヴェールと俳句。フランス人と日本人の視点の違いがわかる。

人の気持ちがわかる人

田中: インジーのお母さんって、育て方のポリシーみたいなのはあった?

インジー: 「人の気持ちがわかる人になる」と「偏見は悪」てことは絶対だった。あとは自分で決めてやりなさい、と。あなたのお母さんは?

田中: 本買うんだったら幾ら使ってもいいよ、と(笑)私の顔みるだけで、母がほんとうに幸せそうに、少女みたいに笑うの。ポリシーちゃうか。

インジー: それ、すばらしいよ。

5才と1才の娘の母でもあるインジー。もともと愛情いっぱいで、やさしい人なのだが、娘を見る時の顔は、なんとも言えない。

田中: インジーは娘たちをどう、育てていきたい?

インジー: 私は娘たちを「自分の意志」がもてる人間になれるように育てたい。母の「人の気持ちがわかる人になる」というポリシーで、もちろん育てたいし「自分の気持ちもわかる人」になって欲しい。クリエイティブな人生を送って欲しいから、精神的に健康な人間になれるように育てていきたい。

子供をもつって、凄いパワーをもらえるの

田中: インジーは2つの会社の経営者だし、ずーっといろんな国行って制作指揮してるし、で、母でもあるんだーって改めて思うとなんか凄いよね。

インジー: (笑)子供をもつって、凄いパワーをもらえるの。妊娠中は魔法にかかったみたいに、肉体的になんでもできるような感覚があった。産んだ後は精神的に強くなる。

インジーのスタジオのすみっこに置いてあった Egoïste magazine. パリのクリエーターってかんじ。

田中: インジーがひとりめ妊娠6ヶ月で、大きなお腹で一緒にタイに行ったよね。

インジー: そうだった。(笑)お腹で娘が暴れ出して、バンコクの病院に連れてってもらったよね。娘が、いやお母さん、さすがにやりすぎでしょーって。ありがとう、あの時。

田中: (笑)あの病院よかったね。Wallpaper*とかHarper's BAZAARが置いてあって。
インジーの仕事のこときいていい?

来週木曜日につづく。

Républiqueにあるインジーのスタジオ、Ôpos ( オポス ) agency にて。ポーズしてるな。
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