とことこと

SEPTEMBER 01 / 普通のパリ

幸せな時間を過ごすスタイルや、考え方のヒントって?
N°1は、パリのクリエイティブ界で活躍する、とびきりチャーミングな女性、インジー・マソトゥの日常に密着し、彼女の魅力の源を探しにいきました。

文:田中洋子 写真:インジーとその周りの人

ポーズしてない、いつものインジー自撮り。インジーのスタジオにて。

インジー・マソトゥ、1976年パリ生まれ。 小麦色の肌の、根っから明るい女性。パートナーとの間に5才と1才の娘がいる。

インジーが主宰する Ôpos ( オポス ) agency は、フランス・ラグジュアリーブランドのイメージをつくる制作会社と、写真家等のアーティストマネージメント会社の2本柱だ。

「食べることを愛してる」

田中: インジーとは20年くらい?知り合って。よく食べてるし、子供2人産んでも太らない。エクササイズをしてるのみたことないけど。

インジー: 20年?もうそんなに?あなたが教えてくれた、ゲッタマン体操、たまにしてるんだけど。5才の娘も横で真似して(笑)。食べるのは私の一日の中で大切な時間。食べることを愛してるもん。

BALLS のビーフタルタル、ガスパッチョにビール。インジーの男前な普通のランチ。

「フランスの納豆」

田中: インジーはパリで生まれて、ティーンをニースで過ごしましたが、最近ニースの近くの街に正統派納豆を作ってる夫婦がいるの、知ってる?

インジー: えっ!初耳!(笑) パリは最近、日本人オーナーシェフのレストランが多いから、納豆の需要があるのはわかるかも。私もよく行くし最近、日本酒ばっかりのんでるの。(宮城と福島の純米大吟醸好き)

日本人女性オーナーシェフ、パリの IZAKAYA6036 がインジーのお気に入り。

「感性をみがく」

田中: 私はパリの女性って自分をもってて、世界中の女性の憧れの対象だと思ってる。それってインジーはなぜだと思う?

インジー: もうそれは、母の世代の女性たちのおかげ。 パリ五月革命以降、私の母たちは、「女性の解放」を本気で勝ち取るために、生きてきてくれた。 だから、その娘の世代の私たちには、「自己表現の自由」を、成熟した形で、あたり前のこととして与えられている。人間としての尊厳、絶対的なものだと思ってる。

「表現」の可能性は無限にあるから、じゃあ、どう表現しよう、と自然の流れでフランスの女性は、感性をみがいていくんだと思う。

ポーズしているインジー。 “W”はお母さん、”et”はお父さんがチャコールで描いて会社設立時にプレゼントしてくれた。 インジーのスタジオにて。

田中: えー五月革命!!ファッションブランドの取材なのでそこはひろげないでいるね(笑)。日本では人と違うことはしないのが慎ましやか 、という日常もあったりするので、だいぶ違うね。

インジー: だからこそ生まれる日本のサブカルチャーはすごい。 抑圧があるから生まれるエネルギーは、日本のワクワクする表現をたくさん生み出している。日本の笑いは世界最高峰だとあなたもいってるでしょ(笑)。フランス人の表現とは違うけど、日本女性はほんと素敵。 とっても魅力的。

田中: ん?そこんとこ、もっと詳しく教えていただけますか。

京都の友人の茶席で正座に耐えるインジー。この後、銭湯へ。

インジー: (笑) 日本人女性はやさしい、と世界中の人が感じてると思う。 相手を思いやる気持ち、ハーモニーを大切にしてる。 今、世界が必要としていることが日本人の間ではあたり前にあって、その表現の仕方もすっごい洗練されてて。立ち振る舞い、動きや表情がもう、そうなってる。

「プリンスと音楽聴いてた」

田中: ではインジーの家族について。お祖母さんはフランスの最高勲章のレジオンドヌール勲章を授与されて、95才になられて、今もお元気ですよね。もともとフランス政府から国連(NY)に出向していらした。その後、パリでジャズクラブ”NEW MORNING”をスタートさせたすごい女性。”NEW MORNING”で演奏してたアーティスト教えてくれる?

インジー: (笑)チェットベイカー、ニーナシモン、ディジー・ガレスピー、スタンゲッツ、ジョージ・ラッセルとか。あっそうそう、プリンスも来てたよ。プリンスはプライベートライブやったり、ひとりでもよく来て、祖母と仲良く並んで座って音楽聴いてた。

田中:最高ー!だったに違いない!!!

来週木曜日につづく。

砂漠でトラブル若い頃のインジーのお祖母さんとお祖父さん。心配。
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