とことこと

DECEMBER 15 / 普通のパリ

こーんなことした。 こう感じた。
こんなん見た。 こう思った。

目を輝かせ、会うたびに教えてくれる人がいる。ほんと生きることに、エキサイトしている、そのエネルギーに感動する。素敵。

海外の友人が日本に遊びに来ると、また違うフレッシュな視点で日本を見れるから、素敵。

2人の娘の母であり、パリで2つの会社を経営するインジー・マソトゥの日本に対する眼差しは、ポエティックで鋭くて、愛に満ちていて心底、素敵に思う。

文:田中洋子 写真:インジーとその周りの人

東京を不自由なく、どこへでも移動できるインジー。私が方向音痴な分だけ、東京でのインディペンデンスを極めてしまったのだろうか。こうやってみると、インジーは背が高かったんだと〜気づかされる。

今週の "普通のパリ" は今年で3度目の来日となるインジーとの東京での会話。3泊4日の弾丸トリップには、撮影の仕事が1日はいっている。

5才の娘はインジーのお母さんが、2才の娘は旦那さんがお世話をしているそうだ。

先週の "普通のパリ" ではロンドンにいたわけだから、流石です!インジーさん。

パリから日本の化粧品ブランドの仕事のために来日した、インジー(左)の撮影チーム。レースアップブーツをフレンチ・シックに着こなすインジーのスタイリングは正真正銘のパリジェンヌ。ボルドーのタイツはどこまでもマットがおすすめ。

田中:今回はフォトグラファー、セットデザイナー、リタッチャーを道連れに弾丸ツアー。

めっちゃパワフル。インジー見てると、パリジェンヌはやりたい事全部やるのか、と思うよ。

インジー:(笑)娘ふたりいるからって、できない事はそんなにないけどね。

この旅で、みんなクレイジーなほど、日本にエキサイトしてるよ。恋に落ちたみたい。

田中:日本の感性を楽しめるチームだよね。

日本サイドのプロデューサーは "とことこと" の "母と娘の森" でもお馴染みの土本真紀。彼女の制作は、いつも心に残る。

インジー:初日からの荒木町で、もうノックアウト。弾丸ツアーのお約束は、東急ハンズ、代官山TSUTAYA、ゴールデン街。

田中:ラグジュアリーブランドのイメージを作っているクリエイティブチームが、ゴールデン街で飲んで「ここは私が払う!」と一番年下のAnaïs(リタッチャー)がバンっと1万円おいたのは、なんだか可愛かったわー。(笑)

インジー:うん。Anaïsもずーっと蝶々がおなかの中にいるみたいだって。最高に楽しんでる。

田中:川端康成の話、何度かしてたよね。

インジー:私とTifenn (セットデザイナー) のお母さんが、川端ファンだから、私たちもそう育ったんだよねー。私たちが日本に着いた日に、ちょうど“眠れる美女”の現代オペラ作品が、東京文化会館で初演されたってTifennがゆってたよね。

カメラのファインダーを覗いて、あれこれ言うプロデューサーも珍しい。完全な信頼関係がチームの中にあってこそだ。インジーは、3泊4日の旅に、ストール2枚持ってきてた。

田中:フランス人は川端作品のどういうところに共感するの?

インジー:崩れても、なお美しい世界。儚い空気感と縁取られないエロス。

田中:今の日本にそれらはある?

インジー: 日本人と接すると感じるわ。

田中:インジーの制作チームは、肩の力が抜けていて、仕事している姿も優雅に見える。あと信頼関係もひしひしと伝わる。

インジー:えっ!嬉しーい!!!みんなパリでは、いつ爆発してもおかしくないぐらいのストレスとスケジュールで仕事こなしてるから、日本での仕事は、新鮮な視点をもつ素晴らしい機会だったの。ストレスも吹っ飛んだ。

田中:私もパリに行くと、脳が目を覚ますわ。次元が増えるかんじ。ストレスも視点が変わるから、矛先も変わる。

あ。インジー、中目黒歩きながら、みんなに「ここ、サン・マルタン運河的なとこ」って説明してたね。

川辺のカフェやコンセプトストアなど、サン・マルタン運河付近に似てる要素が多い。サン・マルタン運河は、映画 "アメリ" で有名になった。Ôpos agencyの近所でもある。

インジー:中目黒から遠回りして、代官山TSUTAYAに歩くあの道が素敵よね。

あ〜ん!短い期間だったけど、いっぱいの思い出があるわ。

真紀が連れて行ってくれた、コニャックにチョコレイトを合わせて出してくれる渋谷のお店も、震えたわ〜。デイヴィッド・リンチの映画に迷い込んだみたいだった。

田中:川端とは方向性の違うデカダンス。

インジー: YOKOも私もTifennもコニャックの広告やってたから、儚さのベクトルの微差に対してうるさいよね。

全員コニャックをオーダーした中、インジーは、くせがすごいグラッパにイタリアDOMORIのチョコのマリアージュでスタート。ひとりひとり、こんなかんじのが飲みたい、と伝え、じゃあこれはどうかな?と選んでくれる、マスターはもと建築家。

田中:コニャックの広告も、いつ、やってたかで、つくる空気も違う。デカダンスは時代に敏感だから。

インジー:はい。うるさい。(笑)

あ、Tifennが、あの人エレガント!って通りすがりの女性を指してよくゆってたね。

田中:ゆってたねー。確か。日本の女性は世界でもスタイリッシュ具合がトップクラス。

インジー:ファッションを楽しんでる人が多いね。

田中:フレンチ・シックなスタイリングはポイントだけじゃなく、もう、考え方から取り入れたいの。だからコトニエから習うことはたくさんあるの。

次回につづく

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