とことこと

DECEMBER 01 / 普通のパリ

あーパリジェンヌになりたいっ、とため息がでるのが、おいし〜いクロワッサンを食べた朝。

フランス旅行の楽しみのひとつでもある、朝起きて、近所のパン屋さんに朝ごはんを買いにいくこと。

私はパリのどこにでもあるようなパン屋さんで、充分幸せだった。インジーと、あのクロワッサンを食べるまでは。

パリのトップクリエイティブ界で活躍するインジー・マソトゥと、クロワッサンについて話した、今週の "普通のパリ" 。

文:田中洋子 写真:インジーとその周りの人

マリーアントワネット風?ビッグヘアをクロワッサンで
仕上げた、このポストカードをモントルグイユ通りにある
パティスリー "ストレー(STOHRER) " の壁で
インジーが発見!!可愛い。
パンもお菓子もお惣菜も大満足な1730年創業のお店。

数年前、インジーが東京に遊びにきた週末、ブランチしに目黒のうなぎ屋さんへ行った。

いつものように、うなぎの肝と白ワインではじめたのだが、日本食ならなんでもいけるインジーが、起きて一発目に口にするものとして、うなぎの肝は無理だといった。

うなぎの肝、その日の気分で色々つまんでからの、ひつまぶし。私の中では、完璧としかいいようがないブランチ。

うなぎ屋の真向かいのカフェに、コーヒーとクロワッサンを買いに行くというのを引き止め、インジーはその日、鳥わさからはじめた。

パリでメイクアップアーティストとして活躍する日本人の
Nobu Fujiwaraと撮影の合間に遊んでいるインジー
パリジェンヌはエスニックな柄をさらっとシックに楽しめる

田中:インジーと "デュ・パン・エ・デジデ(Du Pain et Des Idées)" のクロワッサンを一緒に食べた時、いろんな記憶が蘇ったわ。

インジー:あ、プルースト効果だ(笑)。

田中:自分の子供の頃の記憶じゃないんだけどね。インジーがうなぎの肝、朝から無理っていった記憶がよみがえって、一瞬で理解できたわ。

インジー:(笑)なんかわからないけど、よかった。私のこと弱虫だってゆってたからね、あの時。

田中:ごめん。育った食生活やっぱりちがう。

インジー:YOKOはイカのはらわたが大好物だったんだよね。小さい頃から。フランスにはなかなかいないよ。そんな子供。

パリジェンヌの間では、絶対的な信用のある、
デュ・パン・エ・デジデのパンは、香りと音がすばらしい

田中:イカをはらわたで炊いたんが好きで、小学校に入る前、ご飯8杯おかわりしたってゆった?

インジー:うん、きいたきいた(笑)。貝の味噌汁が好きすぎて、お母さんにおなべ、隠されてた話もきいた。

田中:クロワッサンと貝の味噌汁、アリだよねー。 おにぎりとコーヒーはあわないけど。

インジー: うーーーん。そうかもしれないけど。

「情熱だけでこの仕事をしています。誤魔化したり妥協することなく、伝統をかたくなに守って、環境に配慮した最高品質の原材料だけを使っています。」 デュ・パン・エ・デジデの店主、パリ随一のブーランジェ、クリストフ・ヴァスール氏の言葉。

田中:デュ・パン・エ・デジデの店主のお店、リチュエルが日本上陸したの。コントワー・デ・コトニエ青山店のパーティーにはそこのニフレットを、マーケティングの幸子さんがさらっと並べていて、その "さりげなさ" に感動したの覚えてる。

この辺り。ノートルダム聖堂のある辺りを、地図でぜひ見て欲しい。大阪のコトニエ、淀屋橋店の近くの "中之島" に似ている。

インジー:青山のコトニエのほながさん、会ったね。完璧にシックな女性。あなた、あのお店で トレンチコート 買ってたね。よく着てる?

田中:うん。ワンサイズ大きいの買ったの。なんかその方がしっくりきたんだー。よく着てるというか、もう刑事コロンボくらい着てるよ。

インジー:(笑)

中之島だと、ちょうどこの先に、バラ園がある かんじのパリのセーヌ川の中洲風景。

田中:ボルドーのスニーカー とあわせて、ガーリーな気分で着てるんだー。中に デニムのドレス、その上に カシミアのニット あわせて。

インジー:あー!私も今日、デニムのドレスの上にニットー。

次回につづく

本日のインジー。デニムドレスの上に、ローゲージニット
中之島の主役ともなる 公会堂がノートルダム聖堂?
どうしてもイチョウにみえてしまう右の木は、
よく見るとイチョウではない。
LINEで送る