とことこと

NOVEMBER 24 / 普通のパリ

パリにはアートと商業を結ぶ土台がある。美術館の展覧会だけではなく、アートを売るという目的の展示会が、パリのど真ん中で毎年開催される。

パリ・アートフェアパリ・フォト は知っていても、それらが東京ビッグサイトで開催されるような展示会だったとは "普通のパリ" を書くようになるまで、自分の中で繋がらなかった。

今週の "普通のパリ" は引き続き、パリでアーティストのマネージメント会社を経営するインジー・マソトゥ の、"パリ・フォト2016" のレポート第2弾。

文:田中洋子 写真:インジーとその周りの人

仕事柄、パリのあらゆるアート関係の展示会やギャラリーに行く、インジー。感覚の鋭い女性なので、インジーの視点は日本人の私の中にも共感が生まれる。時代性がありながらも普遍的なものだと思う。

10月にあったパリ国際現代アートフェア、FIAC(フィアック)と同じ会場、グラン・パレで開催された "パリ・フォト2016" のおすすめアートをもっと教えて!

パリのトップクリエイティブ界で活躍するインジー におねだり。インジーは、VERNISSAGE(ベルニサージュ:フランス語で、絵画展覧会の開催日の前日、または、絵画展のオープニングパーティー)におよばれしている。

レセプションとはいえ、そこはアートの商業取引がなされる場所。ドレスではなく、インジーは 首元にボリュームたっぷりのタートルネックのニットを チョイス。オーバーサイズでトレンド感をだしている。

写真には見えないけど、ストレッチスリムジーンズ にブーツを合わせていたのだそう。フレンチシックなテイストのブーツ はスリムジーンズでもカジュアルになりすぎず、オープニングパーティーだと、こなれた感を表現できる。オーバーサイズのタートルネック はキュートな印象で、逆に女性らしい。

イギリスの20世紀の現代芸術を代表する、
デイヴィッド・ホックニーの初期の写真は
すぐに売れたらしい。まあ、そりゃそうだ。

田中:展示会の規模は大きいの?

インジー:パリ・アートフェアと同じくらい大きかった。

田中:パリ・フォトのサイト見たけど、とっても刺激的だった。

インジー:欲しいと思う作品がたくさんあったよー。このデイヴィッド・ホックニー写真は、彼の初期のものなんだって。

田中:うわっ(笑)。プールと裸しか入ってこない。初期だと、ロンドンからカリフォルニアに移り住んだ頃かなあ。 サボテンとホース。緑がカリフォルニアっぽい。  

インジー:そしてこのアーティストの作品が好き。Emmanuelle Fructusっていうフランス人アーティスト。よくない?

古い白黒の写真を集めて、ひとつひとつ(ひとりひとり)に切り取り、違う写真のそれらを並べたEmmanuelle Fructusのアート作品。人口密度もグラフのような感覚も生まれる。

田中:どうなってるの?これ。

インジー:いろーんな古い白黒の写真を切り取って、並べているの。その数に圧倒される。人の密度が差し迫ってくる感があるでしょ。

もし、飾るならベッドルームでないことは確か。いや、リビングルームでもない。でも欲しいなー。

田中:うん。すごい数。作るのに、とんでもない時間かかったでしょうね。

インジー:うん。時間を感じさせるね。

田中:先週紹介してもらった、古い写真に刺繍をしていく作品もそうだけど、アーティストがその作品に費やした時間を感じるのっていいね。

インジー:そうね。産業革命からはじまった消費社会は、もう古いノスタルジックなもの、という表現の作品だよね。これらは。

それとは違うけど、これも好きだったの。

下は石の写真だよね。上はたぶん氷山の一角。
それをうまーくフレームでデザインしている。
これはリビングルームに飾れる。飾りたい。
でも誰なんだ。

田中:わー。私もすっごく好き。これ欲しい!

インジー:いいよねー。これ。残念なことに、アーティストの名前覚えてないの。最後の方に見て、バタバタしてたんだー。

田中:えー!なにそれー。調べてみる。

いや、わかんないよ。この記事を読まれてる方でわかる方、いらっしゃいましたら、コトニエまでご一報を〜。

次回につづく

クセが凄い。
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